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「スマホで撮った写真を共有するアプリがあれば世界でヒットするに違いない…」生みの親が語る、誕生秘話
「写真共有型SNS」といえば、誰もが口を揃えてInstagramというでしょう。ところが、世界で最初に“スマートフォン向け”に写真共有を実現したのは、実は私が手がけたアプリでした。
初代iPhoneの登場から1年ほど経過した2008年、まだiPhoneのアプリ開発が世間的にさほど注目されていない時期でした。当時の私は「ここでアプリを開発すれば大きく成功できるかもしれない」と考えていました。
当時から私はアメリカに住んでいましたが、仕事の関係で頻繁に日本を訪れることがありました。そして、日本のモバイル事情にも触れる機会が多く、なかでも当時のJーPHONE(ソフトバンクの前身)の関係者の方から「数ある携帯電話の機能やサービスのなかで、ユーザーが1度使いはじめたら離れられないのは写真(写メール)だった」という話を聞きました。
そこで「スマホで撮った写真を手軽に共有できるアプリがあれば世界でヒットするに違いない」とひらめいたのです。
こうして開発したのが「PhotoShare(フォトシェア)」というアプリです。リリース当時、AppleのアプリストアAppStoreに登録されているアプリはわずか500個程度だったため、PhotoShareは瞬く間に注目を集めました。
投稿した写真に「いいね」的な反応やコメントが即座に付けられる仕組みがウケ、若い世代を中心に大盛り上がりを見せます。なかには1日に数時間もアクセスを続けるヘビーユーザーも登場。さらには「PhotoShareがきっかけで結婚しました」というカップルが何組も現れたのです。
ダウンロード数は100万を超え、AppStoreのソーシャルネットワーキング部門で2年間トップを維持。あまりにも夢中になって使う子どもたちがいるため、一部の学校で使用禁止命令が出るなど一時的なブームにもなりました。
しかし、そんなPhotoShareも、ビジネスとして飛躍しなくてはならないタイミングで、私が誤った経営判断をしてしまいました。
あるビジネスモデルコンテストで優勝した際、ベンチャーキャピタルが出資を申し出てくれたのですが、画像フィルターですでに利益を上げていたため、外部からの投資は不要だと考え、せっかくのチャンスを断ってしまったのです。
その後、地道に拡大を続けていましたが、後発として2010年に登場したInstagramがベンチャーキャピタルの潤沢な資金を使い、こちらが有料で提供しているフィルターを無料で提供するなどの戦略を取ることにより、一気にユーザー数を拡大。最終的にはMetaに高額で買収されるという大成功を収めました。
結果的に、PhotoShareは大きなビジネス的な成功には至りませんでした。しかし、私はスマホ向け写真共有サービスを世に出すことで「iPhoneでこんなことができるんだ」というiPhoneの魅力をより多くのユーザーに示せたという強い手応えがありました。
のちにInstagramが大きなブームを巻き起こしたことで、スマートフォンでの写真共有が世界的に当たり前となり、さらにiPhoneが絶大な人気を得る一因にもなりました。つまり、PhotoShareは直接的にも、そしてInstagramを通して間接的にも「Appleの成長と株価を引き上げる一助になったのでは」と考えています。
私は当時からApple 株を保有していましたから、iPhoneの普及と盛り上がりは、そのままAppleの企業価値向上、そして株価上昇に直結していました。そう考えれば、PhotoShareは大成功こそしなかったものの、Apple株の上昇によって利益をもたらしてくれたので、私としては「結果オーライ」と納得できる面もあります。
このように、自分が心から推しと思える企業を支える手段は株主になることだけではありません。
作る側として参加し、製品やサービスを盛り上げることで、その企業の成長に直接・間接的にサポートするやり方もあります。なかなか上級編だとは思いますが、1歩踏み込んで作り手としてかかわってみると、「自分と企業が一体となって成長する感覚」を味わえますし、それはとてもエキサイティングな体験です。
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