2024年通年の訪日外客数は過去最高の3,687万人、消費額は8.1兆円に達しており、今年に入ってからも拡大傾向がつづいています。コロナ禍前の2019年と比べると、外客数が約3割、消費額が約4割増加しています。本稿では、ニッセイ基礎研究所の久我尚子氏が、インバウンド消費の動向について詳しく解説します。
インバウンド消費の動向――2025年は四半期初の1千万人越え、消費額は10兆円が視野 (写真はイメージです/PIXTA)

訪日外客数~2025年1-3月期は四半期初の1千万人越え、首位は韓国23.1%、僅差で中国21.8%

2025年1-3月の訪日外客1数は1,053万7,329人(推計値)に達し、前年同期(855万8,483人)と比べて23.1%の増加となった(図表1)。また、四半期として初めて1,000万人を超えた。
1 訪日外客とは、外国人正規入国者から日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、外国人一時上陸客等を加えた入国外国人旅行者のこと。駐在員やその家族、留学生等の入国者・再入国者は訪日外客に含まれる。

 

(注)2025年2・3月は推計値 (資料)日本政府観光局「訪日外客統計」より作成
[図表1]月別訪日外客数の推移 (注)2025年2・3月は推計値
(資料)日本政府観光局「訪日外客統計」より作成

 

国籍・地域別に見ると、最多は韓国(250万6,100人、全体の23.8%)であり、僅差で中国(236万4,920人、22.4%)、次いで台湾(162万3,631人、15.4%)、米国(71万6,856人、6.8%)、香港(64万7,587人、6.1%)が続き、構成比は前年とおおむね同様である(図表2)。

 

(注)上から2025年で多い順、伸び率±5%以上を網掛け (資料)日本政府観光局「訪日外客統計」より作成
[図表2]国籍・地域別訪日外客数 (注)上から2025年で多い順、伸び率±5%以上を網掛け
(資料)日本政府観光局「訪日外客統計」より作成

 

なお、中国は、2024年7-9月期に日本への渡航再開以降で初めて韓国を上回り首位となったが、10-12月以降は再び韓国が首位を占めている。

 

また、外客数の上位国では、いずれも外客数は前年同期を上回っており、なかでも中国(+78.1%)、ロシア(+75.9%)、インドネシア(+46.0%)、マレーシア(+43.8%)における増加が顕著である。